最近派遣切りに遭って寮も追い出され路上生活を余儀なくされている人が増えています。また、なかなか就職が決まらないうちに雇用保険も切れてしまって生活に困窮する人たちも大勢います。このような場合、最後のセーフティネットとして生活保護を積極的に活用しましょう。生活保護は憲法25条にもとづき国民の権利として健康で文化的な最低限度の生活を保障するものです。ところが、市町村の生活保護担当窓口に行くと、「若いから無理」、「まだ働けるから無理」、「家族がいるから無理」、「借金があるから無理」、「住所がないから無理」等と言われて追い返される例が後を絶ちません。しかしこれらのことはすべて嘘であり、申請権を侵害する違法不当な対応です。そこで、窓口に申請に行くときは必ず弁護士等の法律家や生活保護に詳しい人を一緒に同行させる必要があります。
弁護士を依頼する場合の費用については、法テラス(日弁連の委託援助事業)を利用すれば実際には無料で弁護士に依頼することができますので、気兼ねなくご相談ください。
また、昨年10月からいわゆるセーフティネット貸付がスタートしました。これは、生活困窮者に対し国が生活費等のために貸付をするものです(訓練・生活支援、住宅手当は給付です)。例えば、その中のひとつ総合支援資金貸付を紹介すると、以下のとおりです。
窓口 市町村社協(実施主体は県社協)
対象 生活困窮者で、自立した生活を営むことが可能となり償還が見込める者
継続的な相談支援(就労支援、家計指導等)とセット
生活支援費
最長1年間 2人以上世帯月額20万円以内 単身世帯月額15万円以内
住宅入居費(敷金・礼金等住宅の賃貸契約を結ぶための費用)
40万円以内
一時生活再建費(就職活動費、技能修得費、家賃滞納立替費、債務整理手続費等)
60万円以内
原則として保証人必要だが、なくても可
利息 保証人ありは無利息、なしの場合は年利1.5%
据置期間 最終貸付から6か月
償還期間 20年以内
このように、この制度により保証人なしで低利で貸付を受けることが可能になりました。セーフティネット貸付には、これ以外にも様々な貸付制度があります。また、貸付は返済することが予定されていますので、ご自分の返済能力をよく検討する必要があります。いずれにしても、この制度を利用するに当たっては事前に弁護士に相談されることをお勧めします。