Q セクハラの法的責任について

セクハラをされた被害者は加害者や雇用主の企業に対して、どういう請求ができるか、簡単に説明します。

● 加害者の民事上の責任

セクハラ行為が、加害者の故意・過失によるもので、違法性があり、損害が生じている場合、被害者は加害者に対して、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)ができます。

問題になるのは、違法性のところです。
その行為の態様や内容、場所、反復継続性、被害女性の対応、(職場の場合)行為者である男性の職務上の地位、年齢、被害女性の年齢、婚姻歴の有無、両者のそれまでの関係などから総合的に判断されます。

簡単にいえば、社会通念からみて、不相当といえるか、女性の人格権を侵害するかどうかがメルクマールです。

● 加害者の刑事上の責任

セクハラ行為のうち、身体的な接触を伴う場合には、内容によって、強姦罪や強制わいせつ罪、強要罪等が成立します。

また、発言内容によっては、名誉毀損罪、のぞき見、つきまといについては、軽犯罪法違反やストーカー規制法違反となることもあります。

● 加害者を雇っている企業の責任

男性社員が女性社員にセクハラ行為をした場合、女性社員は雇用主である企業に使用者責任(民法715条)を問うことができる場合があります。

セクハラ行為が、外形上、職務の範囲内と認められることが必要です。
これは、加害男性の企業における地位、加害者が職務上の地位を利用したかどうか、加害行為の内容・態様・場所、加害者と被害者との関係、セクハラ行為に至る経緯等を総合的にみて、判断されます。

また、会社は、労働者が働きやすい職場を整える義務を負っています。すなわち、セクハラ行為が行われることのないように職場環境を配慮する義務があるということです。

これに違反したということで、損害賠償請求をすることも考えられます。

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