~定年後の再雇用等につき,厚生労働省が選別基準制撤廃への方針固める~
先日,改正高年齢者雇用安定法の記事が載っておりました。要点は,厚生労働省が同法を改正する方針を固めたというものです。つまり,自分が働いてきた企業で定年後も就労を希望する労働者について,労使合意の上で65歳までの継続雇用者を選別できる「基準制度」を撤廃し,希望する者については65歳まで例外なく雇用確保することを企業に義務づける方向で法改正する方針を固めた,という内容です。
現在の制度では,法律が企業に対して退職者の再雇用などで少なくとも65歳までの雇用確保することを義務づけていますが,労使で合意した選別基準を設けて,再雇用者等を企業側が選別できることになっているのです。そのため,多くの働く意欲ある労働者が選別基準で排除されているのが現状です。したがって,今回報道された方向で改正されることは望ましいことではありますが,財界側の反発も必至であり,選別基準が撤廃されるかは不透明な情勢です。
~年金の支給年齢引上げと改正高年齢者雇用安定法~
多くの企業では,定年制を設けており,その定年の年齢も多くの企業が60歳としているのが実情です。しかし,60歳で退職したら,収入はどうなるでしょうか?
「年金があるじゃないか!」と思う方もいるでしょう。しかし,かつてのように60歳で年金の支給が開始されていた時代ならいざ知らず,年金の支給年齢が65歳まで引上げられているのが現状であり,くわえて最近の報道によると,70歳まで年金支給年齢が引上げられるという動きもあります。これでは,個人年金を利用できる一部の富裕層の人たち以外には,生活していくのが困難なのではないでしょうか(退職金や他の家族の収入があっても年金支給開始までの長期間にわたって生活していくことは困難です)。
そこで,改正高年齢者雇用安定法は,年金の支給年齢の引上げに伴い,高年齢者が収入の途絶によって貧困に陥ることを防止することを主眼として,企業に対し,雇用の継続を法的に義務付けました。具体的には,定年の引上げ,継続雇用制度,定年の廃止のいずかれの措置をとることを法的義務づけているのです。
~形骸化した改正高年齢者雇用安定法~
したがって,年金以外に収入のあてがない方にとっては,同法に基づいて雇用が継続されるか否かは死活問題です。しかし,実際には先ほど述べたような選別制度が問題となります。すなわち,同法の9条2項には,「・・労働組合・・・労働者の過半数を代表する者との書面による協定により,継続雇用制度の対象となる基準を定め・・・」とあるように,労使の合意で選別基準(例えば,「人事考課が平均C以上の人は再雇用できる」など)を設けることができ,この選別基準を理由に,恣意的に労働者を排除する企業が多いのが実情なのです。そのため,継続雇用を希望しながら選別基準を理由に継続雇用を拒否された人たちは,泣き寝入りをするか,そうでない場合は裁判を起こさざるをえないのです。
~裁判所に救済を求める(労働仮処分申立)~
今般,35年以上も法人の中核として勤務し,60歳後も継続雇用を希望していたAさんが,本人の意思を無視して,法人から退職させられた事件につき,60歳以降の継続雇用を求めて,仙台地方裁判所に対して仮処分申立を行ないました。同事件においても,他の事件と同様Aさんは選別基準を理由に継続雇用を拒否されました(人事考課が「B」以上であれば再雇用できるが,Aさんは「B」に達しないので継続雇用できないというもの)。
しかし,Aさんは,35年以上の勤務期間において,法人が主張するような人事考課なるものを全くみたことも聞いたこともなく、ましてや法人側が自分に対して極めて低い評価をしている事実すら認識することはできなかったのです。しかも,本件では,法人側が主張する根幹というべき「労使合意」の選別基準について,労働者側の署名欄が空白となっており,選別基準自体が存在しないことが明白となっている事案であり,法人による恣意的な職場からの排除は明白といえましょう。
本仮処分手続による救済を通じて,改正高年齢者雇用安定法の例外のない希望者全員雇用原則への改正実現に向けて,司法的にも後押しをしたいと考えております(鶴見)。
2011年10月31日
Category: 労働事件, 雑記帳 | Tags: 仮処分, 労働, 年金, 高年齢者雇用安定法
仙台市内に住むAさん(女性)は従前生活保護を受給していましたが、東日本大震災で被災し市内の仮設住宅で暮らしていたところ、本年7月から8月にかけて義援金、生活再建支援金合計金145万円を支給されました。
本年8月中旬頃、仙台市○○福祉事務所の担当ケースワーカーは、Aさんに対し、上記義援金等の扱いに関し、自立更生のために充てられる費目について説明をしましたが、その説明は「1 生活用品・家具」、「2 家電」についてのみであり、「3 生業・教育」以下については「これはあなたに関係ないですね」と言い、説明をしませんでした。
そして、その直後仙台市○○祉事務所は、自立更生に充てられる費用として生活用品・家具、家電のみ(合計金69万3000円)を記載した自立更生計画決定調書をAさんに交付し、受給義援金等合計金145万のうち残額金75万7000円を収入認定して、保護廃止決定を行いました。
しかし、本来義援金等(生活再建支援金を含む)は、被災による住居の再建・修繕、家具什器や生活用品の購入、移転費用等失った生活基盤の回復のためのものであり、また、被災自体に対する慰藉・弔慰として支給されるものです。
多くの国民等の善意であって、本来社会通念上収入認定になじまないものです。
仮に、義援金等を収入認定する扱いをするとしても、その場合、義援金等の上記性格からして、自立更生に充てる金額を最大限控除し、生活の再建に向かわせるべきです。
この点、平成23年5月2日付厚生労働省社会・援護局保護課長「東日本大震災による被災者の生活保護の取扱にについて(その3)」は、
自立更生計画の策定に当たっては、被災者の被災状況や意向を十分に考慮し、一律的・機械的な取扱いとならないように留意するとともに、あらかじめ「別紙2」を提示、説明するなど被災者の事務負担の軽減に努めること、費目・金額を積み上げずに包括的に一定額を自立更生に充てられるものとして自立更生計画に計上して差し支えないこと、この場合、使途について確認する必要はないこと等を実施機関に求めています。
上記通知「別紙2」には、「自立更生のために充てられる費目」として、
「1 生活用品・家具」、「2 家電」の外に、「3 生業・教育」として、事業用施設の整備に係るもの(施設の補修・事業用機器の購入等)、技能習得に係るもの、就学等に係るもの(学習図書、運動用具、珠算課外学習、学習塾等)、制服・通学用鞄・靴等、文房具等、その他、「4 住家」として、補修、建築、配電設備・上下水道設備の新築、その他、「5 結婚費用」、「6 墓石、仏壇、法事等弔意に関する経費」、「7 通院、通所及び通学等のために保有を容認された自動車の維持に関する経費」、「8 その他 その他生活基盤の整備に必要なもの」を掲げています。
また、宮城県も、民間で復旧・復興にあたっている「東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター」の申入れに対し、「義援金等を受領するすべての被保護世帯に対し、自立更生計画策定について支援を行うよう指導しているが、衣食住の確保など眼前の問題のみならず、技能習得に係るものや生活基盤の整備に必要なものへの備えなど、根本的な自立を見据えた自立更生計画の策定について、助言、支援を行うよう指導していく」と回答しています。
Aさんは、仙台市○○福祉事務所から上記のとおりきちんと助言・支援を受けていれば、例えば自身の技能習得費(パソコン資格取得等)、仮設住宅を出た後の転居費用、新居の敷金、家賃、同居する長女の将来の結婚費用、仏壇・仏具、墓石の費用等を自立更生のために必要な費用として計上していました。あるいは、費目・金額を積み上げずに包括的に一定額を自立更生に充てられるものとして計上していました。
しかし、仙台市○○福祉事務所は、Aさんに対し、上記厚労省通知別紙2の「3 生業・教育」以下の費目について一切説明・教示をすることなく、また、包括的に一定金額を自立更生に充てられるものとして計上できることを教示することなく、一方的に衣食住の確保等眼前の費目のみで自立更生計画決定を行い、残額を収入認定し、もって保護廃止処分を行いました。これは上記厚労省通知に反する違法・不当な処分です。
そこでAさんは、10月19日宮城県に対し生活保護廃止処分の取消しを求めて審査請求を申し立てました。
宮城県でもAさんのようなケースは多数あると思いますが、審査請求しているのはAさんを含めまだ3件とのことです。
同じような被害に遭っている方は迷わず当事務所にご相談ください(菊地)。
2011年10月25日
Category: 震災・原発事故, 震災関連の裁判・申立 | Tags: 生活保護, 義援金, 震災請求
本年10月14日、常磐山元自動車学校(以下、「学校」と省略)の死亡した教習生25名の遺族が、学校、役員・校長(死亡の場合は相続人)、教官1名及び学校加入の保険会社を被告に、総額約金19億円の損害賠償請求訴訟を仙台地裁に提訴しました。
弁護団は、仙台弁護士会所属の弁護士10名です。
本年3月11日午後2時46分、被害教習生23名が学校の構内で教習中または教習待ちのために待機していたところ、東日本大震災が発生しました。このとき学校の社長は名取方面にいて不在でした。
午後2時49分頃山元町で大津波警報が発令され、直ちに町、消防、警察の広報車及び防災行政無線によって避難指示の伝令がなされました。 上記各広報車は学校前の道路も走行し学校側は当然伝令の事実を認識していました。
また、学校では地震後1分間停電しましたが、すぐに電源は復活し、その後午後3時20分に停電するまで通電していました。
その間、学校にある2つのテレビが大津波警報を伝える特別番組を放映しており、役員、校長、教官らはそのテレビを視ていました。
このように、学校側は大津波来襲の危険を十分に認識いたにもかかわらず、授業を再開させることだけを考え、その間教習生らを校庭にあるバスに適当に振り分け、バスに乗っての待機を指示しました。
待機している間、バスから降りようとする生徒がいると、教官から「バスから勝手に降りるな」と叱られており、教習生らは教官らの指示に従うしかありませんでした。
このときある教官は校長に対し避難を進言しましたが、校長は「大丈夫」と言って取り合いませんでした。
学校側は午後3時20分頃に停電になってからようやく授業再開を断念し、教習生らを帰宅させるために、行先別に教習生らを送迎車に割り振り、午後3時35分から45分頃にかけて順次送迎車を出しました。
この段階においても学校側に危機感・緊迫感はなく、教習生らを避難させることは全く考えておらず、単に通常通りの送迎をしたものです。
発車した送迎車のうち4台が津波に遭遇し、乗車していた教習生ら23名が死亡しました。
教習生2名は、亘理町で路上教習中(津波被害がなかった地域)に地震に遭い、教官は教習を中断して、教習生2名をわざわざ海に近い学校敷地に連れ戻しました。
この2名は送迎車に割り振られることはありませんでした。この教官は他の教習生を乗せた送迎車を運転して南に向かい津波に遭遇せずに助かっています。
この教官は、送迎車を運転中上記2名が徒歩で学校から南へ移動しているところを目撃したものの、とくに声をかけることはありませんでした。その直後、上記2名は津波に遭遇して死亡しました。
請求の法律構成は、学校の責任は債務不履行責任(契約にもとづく安全配慮義務違反)、役員は会社法上の取締役の責任、校長・教官1名については不法行為責任です。
保険会社に対しては、学校が保険会社に対して有している保険金請求権を原告が代位行使する債権者代位権の法律構成をとっています。
上記事実関係の下では、学校側に大津波襲来について十分予見可能性があり、かつ大津波警報発令から津波襲来まで約1時間あったことから十分結果回避可能性もあり、学校側の過失は否定できないと考えております。
そもそも学校には災害対策マニュアルも、津波に対する日頃の備えも何もありませんでした。
また、学校は山元町の沿岸部に位置し、交通の便は悪く教習生の多くは学校の送迎バスで通学していました。
そして、教習生と学校の教習契約の性質は、教習生が学校の指揮監督下に入るというものです。
しかも、被害教習生らはすべて18歳、19歳の未成年者であり、学校の指示に従わざるをえない若者たちでした。つまり、「自分たちの判断で逃げられた」とは到底言えない状況でした。
本件は津波による被害ですが、上記事実関係からすれば「人災」であることは明らかです。学校側は、教習生の人命よりも授業再開=利益を優先させたのです。許されることではありません。
本件は本当に痛ましい事件です。
亡くなられた教習生たちは皆18、19歳の若さであり、将来に夢や希望を持ちながら、この世に未練を残しながら、亡くなってしまいました。どんなにか悔しかったでしょう。
また、突然最愛の子どもさんを失ったご遺族の皆様の胸中を思うと、察するに余りあるものがあります。
原告・弁護団は、本訴訟を通じ、尊い教習生の生命に対する責任の所在を明確にすると同時に、津波災害における事業者、学校等はその指揮監督下にある者に対し安全を守る義務があることを明らかにし、二度と同じ悲劇を繰り返さないことを目的として、本訴訟を提起しました。
今後何十年かの間に必ず東海、東南海、南海地震が起きると言われています。いや、日本中いつでもどこでも大地震が起こる危険があります。本件事件の教訓を明らかにし、これを来たるべき大地震・津波被害に生かすことが必要です。本件訴訟はその意味でも全国的な意義を有するものと考えています。
皆様、応援をよろしくお願いいたします(菊地)。
2011年10月24日
Category: 震災・原発事故, 震災関連の裁判・申立 | Tags: 山元自動車学校, 損害賠償請求, 津波, 自動車学校
福島原発事故による放射能被害は宮城県にも及んでいます。
本年7月、県内産の稲わら・肉牛から放射性セシウムが検出され、肥育(畜産)農家は一時出荷停止に追い込まれました。風評被害も深刻です。 今後同種の風評被害が農産物一般、魚介類等に広がることが懸念されています。県内の観光業者の風評被害も思った以上に深刻です。
このような被害は東京電力に全面的に賠償させなければなりませんが、請求するにあたりいくつか注意が必要です。
1つは、政府の原子力損害賠償紛争審査会が本年8月5日に公表した、いわゆる「中間指針」についてです。
この「中間指針」は、農林産物、畜産物、観光業等について宮城県を原則として賠償すべき県に入れていません。肉牛の風評被害も平成23年7月8日(マスコミで報道された日)以後のものしか認めていません。
しかし、肉牛の風評被害は福島原発事故があった3月11日以後から始まっていました。福島県の隣県に位置する宮城県が放射能被害または風評被害から無事なわけがありません。
本来、不法行為においては事故と相当因果関係のある損害はすべて賠償されるべきものです(「中間指針」も、一般論としてはこのことを認めています)。
したがって、現実に損害を受けている場合は、「中間指針」にかかわらず、臆することなく東電に請求しましょう。東電に被害を全面的に賠償させることが、国と電力会社に原発がいかに高コストであるかを自覚させ、「原発ゼロ社会」を実現することにつながります。
2つめは、請求する際の書式です。
東電より福島県から県内に避難されている個人あて、県内の法人・事業主あてに請求書式が届き、どのように書いたらよいか悩んでいる方も多いと思います。
本来、東電は放射能被害を引き起こした加害者です。加害者が一方的に賠償基準を設定し、書式も勝手に決め、請求期限も2か月をめどとこれまた勝手に決めています。
これらはすべて東電の都合にすぎず、これに従う法的根拠は全くありません。請求書は任意の書式でよいのです。
原発事故がいまだに収束の見通しが立たず被害が終結していないのに、一方的なやり方で手続を急ぐ東電の姿勢には反省の態度が見られません。低い賠償水準で手を打とうという魂胆が見え見えです。
原発再稼働が画策される今、加害者と被害者のどちらが主導権をとるかのせめぎあいの時期です。時効期間は3年あります。拙速な請求は被害者の不利益になります。
ただし、当面の生活資金、事業の運転資金が底をつく厳しい状況にある被害者の中には、早く賠償金を得るために東電の書式で請求せざるをえないという方もいらっしゃるでしょう。
その場合、いくつか注意が必要です。
つまり、
①一部請求であることを明示する(従前、東電書式の「合意書」には「今後一切異議申立、追加請求はしない」との文言が入っていましたが、最近この文言は削除されたようです)
②納得できない記載は二重線で削除しそこに自分のハンコを押印する
③領収証等は原本を添付せずコピーを添付する
④記入し終わったら提出する前に請求書をすべてコピーして手元に保管する
⑤提出する前に自由法曹団の弁護士や次に述べる各団体にチェックしてもらうことが必要です。
3つめは、各人がバラバラに請求するのではなく、できれば集団的に対応すべきことです。
東電の分厚い説明書を読んでも、東電の担当者の話を聞いても、一般の方がすぐに理解するのは困難でしょう。
そこで、県内の肥育農家の方たちは農民連という団体に結集し、損害の計算会を自主的に開催しながら東電に対する請求を毎月行っています。その際、自由法曹団の弁護士が側面支援を行っています。
また、民主商工会という団体も、自由法曹団の弁護士の関与の下、集団で自主的な計算会をこれから行おうとしています。
皆で勉強しながら、経験を交流し合いながら請求書を作成し東電に対し全面賠償を求める、そして東電には個人では対応せず、集団で対応する、これが最も確実な請求の仕方と思います。
このような請求のやり方を希望される方は、各団体にご紹介いたしますので、当事務所までご連絡ください。
東電に対して、臆せず、集団的に損害賠償請求をしていきましょう。
(菊地)
2011年10月21日
Category: 東電に対する損害賠償請求, 震災・原発事故 | Tags: 原発, 損害賠償請求, 東京電力, 福島, 震災
10月1日(土)仙台弁護士会館にて,シンポジウム「あの日・女川で何があったか」が開催され,吉井英勝衆議院議員が講演されました。
これまで,専門的知見から,大地震の際の津波により原子力発電所が冷却不能に陥る可能性などを指摘してこられた吉井議員が,福島第1原子力発電事故の原因・原子力行政を取り巻く問題点をするどく指摘し,今回の事故において女川原発も重大な危機にあったことを明らかにしたシンポジウムです。
宮城県民必見のシンポジウムです。u-streamを使用して,ネット上で公開されています。
ぜひご覧ください!
【吉井議員の講演ビデオ1】
【吉井議員の講演ビデオ2】
【吉井議員の講演ビデオ3】
【吉井議員の講演ビデオ4】
【吉井議員の講演ビデオ5】
※講演ビデオを再掲しております(10月12日)
資料ダウンロードはこちら↓
【資料1】
【資料2】
【資料3】
2011年10月2日
Category: 講演会・イベント, 震災・原発事故 | Tags:
数ヶ月前の社長とのお金のやりとりを理由に、突如解雇されてしまったAさん。
社長とのやり取りには何の問題もなかったとして、解雇撤回を求めて、仮処分の申立をしました。
仮処分では、残念ながら会社側の主張が認められてしまいました。
しかし、Aさんは諦めず、解雇撤回と未払いの給与支払いを求めて、裁判所に訴え提起をしました。
本訴では、会社側の解雇理由は事実に反すること、会社の主張に矛盾があることを徹底的に主張し、たたかいました。
約1年後に出された判決は、逆転勝訴でした。
基本的にAさんの主張を受け入れる内容の判決でした。
会社側から控訴され、控訴審では、1審判決を基にした、勝利和解が成立。
Aさんは数年ぶりに名誉を回復しました。
「諦めずにたたかって本当に良かった」
Aさんの言葉です。
労働事件は非常に難しい事件ですが、泣き寝入りせずに、ぜひ一度ご相談なさってください。
より良い解決方法をご一緒に探っていきましょう。
(渡部)
2011年9月8日
Category: 事件報告, 労働事件 | Tags:
大震災・原発事故から半年。
復興の現状と国、自治体、産業界そして被災者、地域住民の復興をめぐる動向を踏まえて、救援・復興のあるべき方向と構想を被災地から発信することを目的として、「大震災・原発事故 9・23東北シンポ」が開催されます。
下記の通り、案内が届きましたのでお知らせいたします。
「東日本大震災、原発事故」 被災地から福祉国家を展望する
-被災者の意志にもとづく復旧・復興か、上からの構造改革型「復興」か-
日時:9月23日(金・祝)13:30~17:00(開場13時)
会場:仙台弁護士会館・大会議室
仙台市青葉区一番町2-9-18 TEL022-223-1001
パネラー: (演題は最初の報告内容・仮題)
日野秀逸氏
大震災と社会保障 (東北大学名誉教授、東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター代表世話人、国民医療研究所元所長)
山川充夫氏
原発事故と福島の未来 (福島大学教授・学長特別補佐、福島県復興ビジョン検討委員会座長代行、南相馬復興有識者会議委員長)
岡田知弘氏
復旧・復興をめぐる対抗 (京都大学教授、自治体問題研究所理事長)
後藤道夫氏
社会保障基本法・憲章2011と福祉国家日本の構想 (都留文科大学教授、福祉国家構想研究会共同代表)
司会:井上英夫氏 (金沢大学教授、福祉国家と基本法研究会幹事)
主催:福祉国家構想研究会、福祉国家と基本法研究会、自治体問題研究所、 国民医療研究所
参加費:無料
連絡先:022-211-7002(宮城県労連)
2011年9月8日
Category: 講演会・イベント, 震災・原発事故 | Tags: 原発, 復興, 震災
アルバイト先の先輩から体を触られるなどのセクシュアルハラスメントを受けていた女性より依頼を受けました。セクハラをしたアルバイト店員は、資力がなかったので、勤務先の会社に対して慰謝料請求をし、解決金を得ることが出来ました。
女性は長期化する裁判を望んでいませんでしたので、迅速に解決することが出来てよかったと思います。加害者にもいろいろな方があり、誠意ある企業が迅速に対応することもありますが、最初から話し合いに応じない場合もあります。
紛争が深刻化する前に、出来るだけ証拠を取っておいてほしいのですが、セクハラを受けたほうは、気味が悪いと言ってメールなどの重要な証拠を削除してしまい、相手に開き直られることもあります。
メールなどは、消去せず、しっかり保存しておきましょう。いざという時に、相手との交渉を有利に進めることが出来ます。
こうした問題について、女性弁護士に相談したいという依頼者の方もおられ、大変うれしく思っています。今後も女性のために頑張って参りたいと思います。(木山)
2011年8月3日
Category: 事件報告, 労働事件 | Tags: 労働事件 セクハラ セクシュアルハラスメント
刑事事件で逮捕・起訴された場合に、出来るだけ早く保釈してほしいという方は多いです。
保釈とは、起訴後に、裁判所の指定した保釈金を裁判所に納める代わりに、判決が出るまでの間、身柄を解放することです。保釈金の金額は、仙台地方裁判所では150万円~200万円のことが一般的なようですが、起訴された罪状や被告人の資力等に大きく左右されますので、一概には言えません。公判に出廷すると保釈金は返還されますが、逃亡したり、理由なく出頭しないと、没収されてしまいます。
刑事事件で勾留されると起訴前の勾留は最長で20日間となり、その後、起訴されると、起訴後の勾留に移ります。保釈は、起訴の後からしかすることはできません。
保釈は原則として、第1回公判後になされるのが一般的ですが、迅速に保釈の申立をし、起訴後すぐに保釈することが出来ることも時々あります。ただし、これも、被告人のそれぞれの事情によりますので、保釈が認められるかどうかは、罪名・犯行態様・証拠隠滅の恐れ・身元引受人の有無などに左右され、最終的には、そうした事情を総合して裁判官が判断することになります。
早期に保釈されると、裁判の打合せを自由にすることが出来ることから、公判の準備のためにも非常に有利です。
以前、早期に身柄が釈放された依頼者から「早く保釈されたおかげでお盆を家で過ごすことが出来ました」と丁寧な手紙を頂いたことがあります。家族の支えの下で過ごすことが更生のきっかけになるのを目の当たりにすると、しっかり更生して、頑張ってほしいと思います。(木山)
2011年7月27日
Category: 事件報告, 刑事事件 | Tags: 刑事事件 保釈 身柄 勾留
当事務所はこれまで徹底して労働者側の立場にたって、数多くの労働事件を解決してきました。
最近、解決した解雇事件をご紹介いたします。
Aさんはベンチャー企業の営業マンとして採用されました。
しかし、突如、解雇を言い渡され、当事務所に駆け込まれました。
社長は自分の言い分を譲らず、交渉は決裂し、訴訟へ。
証人尋問では、社長の不合理な説明を徹底的に論破。最終的には、解雇の主要な理由としていた事実に誤りがあることを認めました。
尋問を経て、和解協議へ。
職場復帰は困難な状況があったので、職場復帰は求めず、金銭解決で話を進めました。
最終的に会社側は、解雇を撤回し、合意退職とすることに同意。未払い賃金を支払うことを約束しました。
終了後、Aさんは「これで肩の荷が下りました。ありがとうございました。」と御礼を述べてくれました。
大変な事件でしたが、依頼者の方にこう言って頂けるのが最大の喜びです。
労働事件は解決が難しく、依頼者の方には時間的、精神的負担をおかけすることが多くあります。それでも頑張ってくださる労働者の皆さんと接していると、働くことは単に賃金を得るためだけではなく、やりがいや生き甲斐、人の尊厳などとても大切なことと深く関わっているんだと実感させられます。これからも労働者の皆さんと一緒にたたかう決意です。
(渡部)
2011年7月25日
Category: 事件報告, 労働事件 | Tags: