美里町の違法な行政指導を認めさせ、損害賠償を勝ち取りました!


この事件は、美里町の建設会社I社が、2007年10月に、町に下水道排水設備工事の申請をしようとしたところ、町の職員がI社が予定していた工法ではない特定の工法で施工するよう執拗に迫り、I社がこれに応じなければ申請は認めないと強要した事案です。

I社の社長はこれに納得できず、法的・技術的根拠の説明を求めましたが、町職員は、これには一切答えずに、「町の説明にケチをつけるのなら、美里町以外で仕事したらいいだろう」と脅したり、「頭が悪いなあ―」と侮辱したり、机を叩いて「帰れ」と言い放つなど、公務員としての品位に欠ける言動を行いました。

社長は何度も町に説明を求めましたが、無視され続けたので、やむを得ず、私どもの事務所に依頼して、2010年11月、美里町を被告として損害賠償訴訟を提起したのです。

裁判の審理では、町職員の会話を録音したテープを法廷で再生して違法行為の実態を立証し、3名の町職員を証人尋問で厳しく追及し、I社社長の尋問で町の行為の違法性を明らかにしました。

2013年10月4日、仙台地方裁判所古川支部は、美里町職員の行為は、「行政指導の限度を超えるものとして違法である」と明確に認定し、美里町に損害賠償を命じました。行政指導の違法性を正面から認めた画期的な判決です。美里町は控訴を断念し、I社の勝利判決が確定しました。
11月5日に美里町内で行われた裁判報告集会には50名もの町民の方々が参加して一緒に喜んでくれました。

一業者が地方自治体を相手にその違法行為を追及するのは大変な苦労であり、6年もの長期に及んだ社長と奥様の粘りが町の不正を正したのです。弁護団としても大きな成果を得た事件でした。
(この事件は小野寺と木山が担当しました)


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