交通事故にあってしまったら
交通事故にあった場合、けがの治療のことだけでも、頭がいっぱいなのに、知らないうちに、加害者に何が請求できるのか、加害者の処罰はどうなのか、後遺症が出たらどうするか、保険会社が示談を迫ってくる・・・・など様々な悩みに巻き込まれてしまいます。
そのうえ、相手方の保険会社は、被害者が本来得られるべき適正な賠償額より大幅に低い金額での示談を提示してくることが多いため、そのような金額で被害者が示談に応じてしまっている例も少なくありません。
交通事故にあってしまった場合、どのような対応が必要なのか、また、保険会社が提示する示談に応じてよいのかといった問題は、専門家でなければ判断が難しい面もあるので、すみやかに弁護士に相談し、必要であれば、示談交渉や訴訟提起を依頼することをおすすめします。
【具体例】
- 30代の男性が、兄の車に同乗中、後方から追突され、後遺障害等級7級の障害を負ったケースで、保険会社からの提示額は2200万円でしたが、弁護士に依頼して訴訟を提起し、4400万円で和解が成立しました。
- 20代の女性が乗用車に後ろから跳ねられ、後遺障害等級1級の障害を負ったケースで、保険会社からの提示額は4000万円でしたが、弁護士に依頼して訴訟を提起し、裁判所は2億円の支払いを命じる判決を行いました。
- 50代の女性が、信号無視の車に追突され、むちうちの後遺症が残ったケースで、保険会社からの提示額は70万円でしたが、弁護士に示談交渉を依頼し、訴訟をせずに270万円で示談が成立しました。
どのような請求ができますか?
- 人身事故の場合、まず、治療関係費用として、入通院費などの治療費のほか、通院交通費など治療にかかった費用が請求できます。
- また、ケガにより働くことができなかった場合、休業中に得ることができなかった賃金を休業損害として請求できます。けがによって生じた精神的苦痛に対する損害として慰謝料を請求することもできます。
- さらに、後遺症が残ってしまった場合、将来にわたって得られるはずであった利益(逸失利益)を請求できるほか、後遺症に対する慰謝料を請求できます。
- また、不幸にも被害者が亡くなってしまった場合、死亡までの医療費、葬儀関係費等が請求できるほか、逸失利益、慰謝料等を請求できます。
- また、物損を伴う場合、車の修理費、代車使用料等も請求できます。
交通事故でよく問題になる点
- 1 追突事故でむちうちになって現在治療中のところ、保険会社から、もう治療を打ち切ってくれと言われたら・・・
- 保険会社は、3か月、6か月などと3か月置きくらいに治療打ち切りの打診をしてくることが多いようですが、大事なことは、治療すればまだ症状がよくなる可能性があるかどうかです。この点について、主治医の先生とよく相談してみてください。それでも、どうしても困ったときは、一度ご相談ください。交渉により治療期間を若干伸ばせた事例もあるようです。
- 2 保険会社から賠償額の提案があったら・・・
- 世の中には、交通事故の賠償額の算定基準について,主に2種類あると言われています。1つ目は任意保険基準、2つ目は裁判基準です。いずれも適正な基準といわれていますが、特徴が異なり,任意保険基準は、早期に解決できるメリットがある反面、賠償額が裁判基準よりも結果的に低くなることがあるのに対し、裁判基準は、解決に多少時間がかかるデメリットがある反面、賠償額が任意保険基準よりも結果的に高くなることがあります。裁判基準での解決を希望する場合には、裁判所や弁護士,弁護士の派遣されている交通事故紛争処理センターなどを介する必要があります。裁判基準だとどうなるのかお知りになりたい場合は、一度ご相談ください。
- 3 治療が終了し、後遺障害の診断書を書いてもらって保険会社に提出したところ、14級という認定結果がきた。自分の症状はもっと重い等級に該当すると思ったら・・・
- 自賠責や保険会社に異議申立書を提出することができます。もちろんそうした異議申立書を提出することなく、いきなり裁判を起こすこともできます。どうしたらよいか迷ったときには、一度ご相談ください。
最後に・・・
弁護士にご相談になるときには、一度ご自身の任意保険の契約書を見直していただくことをお勧めします。弁護士費用特約を付けている場合には、相談料や弁護士費用のご負担なく解決できることがあります。